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2006年12月27日

地すべり地滑落崖直下に地下水あり-その2

前回の牧内の例では、地層の境界に地下水が湧出し、そこに滑落崖が生じた地すべりを示したが、断層によって地下水を堰止め、地すべりの原因となる例も多い。長野県阿南町では、1981年9月3日、もともと変状が進行していた斜面が秋雨前線の停滞による豪雨により崩落した。その平面図を図-1に示すが、崩落は幅50m、長さ100m、深さ20mに達し、8万 m3 の土砂が崩落した。地質は第三紀の泥岩・砂岩の互層であるが、地すべり後の滑落崖には、明瞭な断層が認められた。崩落とともに滑落崖直下より多量の地下水が噴出した。この地下水により崩落土砂は泥状となり、人家の近くまで流下し、さらに工事中のトンネルをも埋めている。崩落土塊の東南側に亀裂の入ったほぼ同じ規模の土塊が残存し、この崩落も心配された。地すべり地の状況を写真-1に示すが、滑落崖は明瞭な断層によって形成されている。崩落と同時に、断層により堰止められていた地下水が抜けたことで、隣接の残存土塊は安定化したものとみられる。

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写真-1

地すべり地滑落崖直下に地下水あり

これまでの多くの地すべり地の調査から、経験的事実として、滑落崖直下に地すべりの原因となった地下水が存在するといわれている。これは、筆者が地すべり研究を始めた40年前に、当社の前顧問杉山隆二先生から教えられたことである。筆者のその後の調査経験でも、このことを確認した事例が多い。
1つの例として、1965年9月17日松代群発地震の影響で滑動した牧内地すべりの例を示す。群発地震により各所で、塩分濃度の高い地下水が噴出したことはよく知られている。牧内では、図-1の平面図に黒点で示す地点で湧水が発生し、地すべりはこの線を跨ぐように滑落崖を形成して滑動した。ここでは、図-2の断面図に示すように、基盤をなす閃緑岩と崩積土の境界に沿って地下水が上昇し、地すべりを引き起こしたとみられる。滑落崖直下のNo.13ボ-リング孔では、地すべり後1年余を経た後にも、地上13mに達する水頭を記録している。地下水の噴出が原因の典型的事例である

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