川上先生の部屋 ~地すべりのお話~

第1回 地すべり地滑落崖直下に地下水あり

これまでの多くの地すべり地の調査から、経験的事実として、滑落崖直下に地すべりの原因となった地下水が存在するといわれている。これは、筆者が地すべり研究を始めた40年前に、当社の前顧問杉山隆二先生から教えられたことである。筆者のその後の調査経験でも、このことを確認した事例が多い。
1つの例として、1965年9月17日松代群発地震の影響で滑動した牧内地すべりの例を示す。群発地震により各所で、塩分濃度の高い地下水が噴出したことはよく知られている。牧内では、図-1の平面図に黒点で示す地点で湧水が発生し、地すべりはこの線を跨ぐように滑落崖を形成して滑動した。ここでは、図-2の断面図に示すように、基盤をなす閃緑岩と崩積土の境界に沿って地下水が上昇し、地すべりを引き起こしたとみられる。滑落崖直下のNo.13ボ-リング孔では、地すべり後1年余を経た後にも、地上13mに達する水頭を記録している。地下水の噴出が原因の典型的事例である

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