川上先生の部屋 ~地すべりのお話~

第11回 ボ-リング作業中の水位

 ボ-リング作業中の孔内水位が地盤の地下水状態を反映していることは、経験的事実として知られている。ボ-リング孔掘削時には孔壁保護のためケ-シングを挿入するので、この部分を不透水管でシ-ルしたことになり、このパイプより深い裸孔部分の地層の水頭が孔内水位として計測されることになる。一日の掘削作業を終えた時の水位よりも、その翌朝の作業開始時の水位がより自然状態に近い水位を示している。ただし、孔壁崩壊防止に、濃厚なベントナイト液を使用する時は注意が必要である。
 調査結果として長野県が地附山地すべり地で実施した結果を示す。 (a)図の斜線でボ-リング孔底の進行を示し、矢印でその深度の孔内水位を示している。浅い掘削中は、孔内水位も高いが、孔底が深くなると水位も低くなっている。孔内のケ-シングは、作業の進行に伴って引き下げられるので、その下端の位置は階段状の図形として示されている。次に、 (b)図にはその後別途計測した深度別水位計の計測結果を示している。水位計は、それぞれ (c)図に示す深さ迄掘削し、先端5mを裸孔とし、上部をシ-ルした構造の水位計である。 図にみられるように、掘削中の孔内水位は、その後計測した深度別水頭との対応もよく、地盤内の水頭をよく現しているとみられる。ボ-リング孔掘削時の日報から、翌朝の水位を整理して深度別水頭として活用することは大切なことである。

20070921.jpg

図-1 ボ-リング孔掘削時の水位と深度別水頭

Page Top