川上先生の部屋 ~地すべりのお話~

第25回 氷河堆積物中の地すべり-その2

 小谷村の栂池地すべりは、氷河堆積物の地すべりであるので、山腹は厚い礫質土で覆われている。上部のBブロックの中では、地下水が豊富であり、集水井からの水平ボ-リングによる排水も効果をあげている。しかし下部のAブロックでは、礫質土は60mと厚く地下水もこの中の多くの深さに分散して流下している。 
 一例としてボ-リング結果を図-1に示す。この図ではボ-リング掘進中の孔内水位を示しているが、深さ15m、30m、50m、70m付近に地下水があることがわかる。一方、図-2 に斜面の断面図を示すように、変状から認められるすべり面は斜面下部では浅いものとなっている。また融雪期には、浅い地下水が豊富なことを裏付ける湧水が標高1350m 付近に集中している。
 集水井あるいは地表からこの浅層地下水を狙って水平ボ-リングを実施してもなかなか成果が得られない。集水井から大口径の水平ボ-リングを行い、これを狙って地表から垂直ボ-リングを行う。いわば排水壁を築造することを考えたりしているが、これも少し地すべりの動きがあれば切断されるという欠点がある。

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図-1 ボ-リング H12-4の掘進中の孔内水位

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図-2 栂池地すべりⅠ-Ⅰ断面

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