長野岩石図鑑

はじめに

長野県では、日本列島の2大地質構造であるフォッサ・マグナと中央構造線が交わっている事から、地質構造は複雑を極め、そのため諸山地を形成している岩石は多種多様にわたっている。  この地質構造を反映して、北には黒姫・飯網の火山群が、南には伊那谷を挟んで赤石山地(南アルプス)と木曽山地(中央アルプス)が、西には飛騨山地(北アルプス)が、また北東には浅間山・志賀の火山群が連なっている。さらに、これらの山岳地帯に挟まれた中央部には、八ヶ岳・蓼科山・霞ヶ峰等の火山群が存在している。この複雑な地形を縫って、千曲川・姫川・天竜川・木曽川等の河川が、善光寺平・松本盆地・諏訪盆地等を流下し、日本海にまた太平洋へと注いでいる。

このように複雑な地質構造や地形のために、急傾斜地の崩壊や多種類の地すべり災害等が頻発している事が、長野県の特徴のひとつともなっている。

長野県における事業は、こられの複雑な地質及びその構造や地形を掌握した上で実施される事が望ましいわけであるが、多様を極める事業に従事される方々が、必ずしも地形や岩石に精通した技術者ばかりであるとは限らないのがやむをえない現状かと考える。

本検索集は、県内における代表的な岩石の産状と岩相を接写した写真を掲載し、さらに一般的にあるいは固有の特徴を記述したものである。もちろん、同一種の岩石と言えども、変質の程度や造岩鉱物の変化によって、肉眼観察の上では若干の差違が生じるものである。従って、ここに掲載した写真は代表的かつ局所的な岩石である事を十分に認識された上で、土木事業の計画・調査・設計あるいは施工に際しての目安の一つとして活用されれば幸甚である。なお、本検索集を製作するに当たっては、かつて当社の顧問であり前信州大学理学部長を勤められた故杉山隆二先生、元信州大学理学部教授渡辺晃二先生より多大な御協力を賜った。巻頭において、両先生には深く感謝致します。

平成19年6月
明治コンサルタント株式会社長野支店

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