長野岩石図鑑

チャート(chert)『梓川層群』 南安曇郡梓川村八景山

概要

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岩種 堆積岩
地質年代 古生代(梓川層群)
採取地 南安曇郡梓川村八景山

一般的な特徴

《チャート(chert)》
最も代表的な珪質の化学的堆積物。
緻密な潜晶質の岩石で、潜晶質石英と玉髄質石英よりなる。純粋なチャ-トでは95%以上がSiO2。
成層または層状をなす場合と、石灰岩や苦灰岩中の団塊をなす場合とがある。
前者を成層(または層状)チャ-トとよぶ。
チャ-トには、ヒウチ石(flint),角岩(hornstone)など種々の同義語があり、特定の国または特定の地質時代のチャ-トだけに適用される特殊な名称も多い。日本で従来かなり広く使われていた珪岩という語はquartziteの訳語であるが、最近ではquartziteは石英砂岩という意味で、または石英質堆積岩の変成岩の意味で使われているため、チャ-トを珪岩とよぶのは適当でなく、現在はあまり使われない。
チャ-トの起源に関しては、 1)珪質徴化石の堆積物放散虫軟泥,珪藻質堆積物など)の石化したものとする説。2)石灰岩がSiO2。により交代されたとする説。 3)海水からの一次的沈殿物(コロイド状SiO2。の凝集生成物または生化学的作用によるSiO2。の凝集生成物)とする説など、多くの説がある。一部は明らかに第2の成因によるが、大部分のもの、特に層状チャートの多くは第3の成因によるものと考えられている。
チャ-トは優地向斜に特有の岩石で、日本の古生層には特に多い。
チャ-ト中にはMnの鉱床が多い。

固有の特徴

《梓川層群》
梓川流域に発達する古生層は、粘板岩・砂岩(主として硬砂岩)・チャ-ト(珪岩・角岩)の互層からできている厚い累層で、この他に石灰岩・礫岩・輝緑凝灰岩が少量介在している。極めて単調な地層群が、異常に厚く堆積しているのが特徴であって、層の厚さは7,000m以上と推定されるが、断層や褶曲で重複しているので、その正確な厚さはわからない。
分布の北限は、常念岳から富士尾山にかけて黒雲母花崗岩との接触による境界によって限られ、東は断層崖により松本平の新期堆積物と接している。南は、木曽川流域の古生層と連続し、西は焼岳・乗鞍岳の両火山の基盤を構成し、更に、その西方の飛高原の古生層と連続している。
この梓川流域に発る古生層を総称して『梓川層群』と呼んでいる。

写真は層理の良く発達したチャ-トで、層理面は酸化鉄が生成されて赤色に替わっている。ハンマ-の強打によって、層理面から剥離される。

採取地写真

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