岩種 | 堆積岩 |
地質年代 | 新第三期 中新世(山清路○岩) |
採取地 | 東筑摩郡 生坂村 山清路 『差切峡』 |
《礫岩》
礫が基質によって膠(こう)結された岩石。膠結物としての基質は砂質・泥質・石灰質・珪質などいろいろの場合があるが、砂質のものが最も多い。
礫岩の種類は粒度・礫種・膠結物などによって分けられる。
礫種が1種のときは単元礫岩(単成礫岩)、2種以上のときは多元礫岩(複成礫岩)というが、前者はまれ。
不整合面の直上に乗る礫岩を基底礫岩(basalconglomerate)という。これに対して一連の地層中にある礫岩を層内礫岩(層間礫岩)、一連の地層の最上位にある礫岩を頂上礫岩(海退礫岩)という。
礫岩は一般に新しい地質時代ほど多い。
《山清路礫岩砂岩層》
本層は東筑摩郡生坂村山清路の谷に模式的に分布し、生坂山脈に沿って込地向斜の両翼に帯状に分布する。
北は大岡村棚原付近まで、南は生坂山地の主部を作りながら生坂村大地、明科町長尾に達する。さらに東翼は生坂村岩殿山、麻績川流域の差切、重付近から聖山南麓の麻積村に続いている。層厚は1,040mである。
岩相は砂岩を主とし、礫岩を混え、砂質泥岩をはさむ。砂岩は中粒ないし粗粒で、しばしばチャ-ト、硬砂岩など古生層起源の細礫ないし中礫を含む。一部に斜交葉理が発達し、また、数枚の漣痕をはさむ。中部の砂岩からはカキの化石を産することがあり、多くの場合、化石層を成してよく連続するため、鍵層として役立つ。
礫岩は主として中礫で、チャ-ト、硬砂岩、ひん岩、花崗岩、結晶片岩などの古生層ないし中生層のものが多いが、わずかに緑色凝灰岩、砂岩など第三系の礫を含んでいる。
砂質泥岩は黒色ないし青灰色で、ところによって炭質となり、一部は亜炭に移り変わる。
本層の構造は込地向斜に支配されて、北に開いた舟底型の分布をしているが、西翼では走向はN10゚EないしNSで、生坂山地や山清路付近では70~80゚Eの急傾斜であるが、擾乱帯に近い大岡付近ではN20゚Wの走向で70゚SWの逆転を示すところがある。
化石は中部層から産し、ナカガキの化石層は比較的連続し、鍵層として使える。