長野岩石図鑑

閃緑岩(diorite)『横川の蛇石』 上伊那郡辰野村町横川

概要

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岩種 火成岩
地質年代 中生代(横川の蛇石)
採取地 上伊那郡辰野村町横川

一般的な特徴

《閃緑岩(diorite)》
灰曹長石~中性長石および有色鉱物を主成分とする完晶質粗粒の深成岩。
有色鉱物としては角閃石が普通で、ときに透輝石.紫蘇輝石・黒雲母を含む。
少量のカリ長石を含むことが有リ、その量が増すにつれて閃長閃緑岩に漸移する。石英を多く含むものでは、有色鉱物の量が減じ、カリ長石が増し、花崗閃緑岩に漸移する。その中間でカリ長石を殆ど含まぬものを石英閃緑岩という。
閃緑岩と斑レイ岩の区別は、古くは有色鉱物カが角崗閃石なら閃緑岩、輝石・カンラン石なら斑レイ岩。最近は色指数40で両者を区分することが多い。
て、混成型・混成迸入型・迸入型の産状を示す。
組織も変化に富み、半目形~他形粒状から斑状にわたり、ポイキロブラスト(*1)の発達することもある。
成因的には混成岩が多いとする意見がある。
語源のdiorizoは明瞭在な別の意味。
D'Aubuisson(1819)命名。
*1:ポイキロブラスト
変成組織の一種で、異種の鉱物を取り込みながら斑状に成長した結晶を形容する。
ポイキロブラスティックな結晶成長は一般に周囲の組織を乱さず、交代的に進行するので、含有物の配列は変成史の解析に有効である。

固有の特徴

《横川の蛇石(じゃいし)》
辰野町川島、横川川の渓流の中に横たわる大蛇のような形をした岩脈を、昔から蛇石と呼んでいる。これは水成岩である黒色粘板岩の成層面に沿って火成岩の閃緑岩が迸入して岩床を形成し、この岩床をペグマタイト質の石英脈が、規則正しく百数十条貫入しているものである。蛇石は大小二脈あり、平行して走っている。
大きい方は、長さ87m厚さ42cm、小さい方は長さ17m厚さ30cmで、この両脈に貫入している石英脈の幅は約7cmで、石英脈と石英脈との間隔は、大体60cm程である。岩床の閃緑岩は、緑青色を帯びているが蛇石の部分は表面が褐色である。
白い石英脈を伴うこの梯状岩が流水の浸食によって、ある所は高く、ある所は低く、川の流水のまにまに見え隠れする様は、まことに蛇腹を思わしめるものがある。このような梯状岩は、規模の上からいっても、成因の上から見ても世界にもあまり類例のないもので、岩石学や鉱床学から見て、甚だ貴重なものであるため国の天然記念物に指定され、県と辰野町が随時パトロ一ルして保存管理にあたっている。

採取地写真

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