長野岩石図鑑

花崗岩(granite)『苗木・上松、花崗岩』 木曽郡上松町寝覚

概要

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岩種 火成岩
地質年代 中生代 白亜紀
採取地 木曽郡上松町寝覚

一般的な特徴

《花崗岩(granite)》
カリ長石・酸性斜長石・石英および有色鉱物を主成分とする優白質粗粒完晶質岩。有色鉱物は無色鉱物に比べてはるかに少ない。斜長石の量が増大するにつれて、アダメロ岩・火崗閃緑岩に漸移する。
有色鉱物の種類により、次のように細分。両雲母花崗岩・黒雲母花崗岩・角閃石花崗岩・透輝石花崗岩など。
また、花崗岩は産状により、混成型花崗岩(原地性花崗岩)・混成遊大型花崗岩(準原地性花崗岩)・迸入型花崗岩に区分。
日本で普通、花崗岩といわれているものは、鉱物組成上・化学組成上、アダメロ岩や花崗閃緑岩に属する物が多い。
花崗岩成因論は、火成論と変成論の立場から論じられ、最近では、上部マントルからの初性花崗岩発生問題が重視されてきた。
花崗岩という用語は16世紀にさかのぼるが、正しい地質学的な地位は、J.HuttonとJ.Hall(1790)が確立。
ラテン語のgranumは、粒を意味する。

固有の特徴

《苗木・上松花崗岩》
中津川市苗木地区から北西方の長野県上松町付近まで主に木曽川に沿って分布する白亜紀末期の花崗岩。
優白色、中~細粒の黒雲母花崗岩(Sio2 約75%)を主体とし、斑状花筒岩・花闇斑岩・粗粒花崗岩・アプライト(*1)質花崗筒岩などの岩相を含む。
石英が自形で、黒色を呈するのが特徴。
上松北方の岩体は、ヘスティングス角閃石(*2)およびバ-ケビ角閃石(*3)を含む。
古生層・領家花崗岩類・濃飛流紋岩類などを貫く。

(*1)アプライト;ほとんどアルカリ長石・石英・斜長石からなる優白質、完晶質、他形、等粒状の岩石。多少の黒雲母・白雲母・ザクロ石・電気石を含む。花崗岩・閃緑岩などに伴って岩脈状の岩体をなして産出する。組成は花崗岩質から斑レイ岩質にわたるが、通常は花崗岩質のものをさす。

(*2)ヘスティングス角閃石;パ-ガス角閃石とフェロヘスティングス角閃石の固溶体の中で、Mgが70~30%のものをいう。また、この固溶体全体をヘスティングス角閃石と呼んだり、パ-ガス角閃石をヘスティングス角閃石と呼ぶ人もあって、呼称は統一が無い。カナダのオンタリオ州HastingsCountyの地名にちなんで名づけられた。

(*3)バ-ケビ角閃石;アルカリ火成岩にのみ産し、特に極端にアルカリに富む火成岩にみられる。Fe2+Fe3に富むことと、Fe3/Fe2が低いこととが特徴。

採取地写真

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