長野岩石図鑑

緑色片岩(greenschist) 上伊那郡高遠町非持(山室川右岸)

概要

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岩種 変成岩
地質年代 先第三紀
採取地 上伊那郡高遠町非持(山室川右岸)

一般的な特徴

《緑色片岩(greenschist)》
低変成度の塩基性片岩をいう。
一般には緑色片岩相に属する片岩に限って用いるが、日本では緑色の塩基性片岩のことを、それが緑色片岩相よりやや高変成度の変成相に属する場合にもラン閃片岩相に属する場合にも、この名前で呼ぶことがある。この場合には一種のフィ-ルドネ-ムである。
典型的な鉱物組合せは、陽起石・緑泥石・白雲母・緑レン石・曹長石・石英であるが、石灰質の場合にはやや多量の方解石を含有し、低変成度の場合にはパンペリ-石を含むことがある。
※ラン閃石片岩;青色片岩ともいう。一般に消光角の小さい淡青紫色の多色性を有するラン閃石質角閃石を含有する結晶片岩。
塩基性片岩と珪質片岩とがあり、源岩は塩基性火成岩・同凝灰岩・珪質堆積岩が普通であるが、泥岩・砂質岩などを源岩とする例も報告されている。
この岩石のみが持つ化学成分上の特徴はない。
一般にシャ紋岩を伴う変成帯に産し、ラン閃石片岩相に属する広域変成岩。

固有の特徴

《三波川帯》
三波川帯とは、中央構造線に沿い、そのすぐ南を中部地方から近畿・四国を横切り九州佐賀半島にまで延々700km余にわたって連続する結晶片岩帯のことである。
三波川という名称は、関東山地に分布する結晶片岩に対して、その模式地である群馬県南甘楽郡三波川の渓谷から、小藤文次郎(1888)によってつけられた。
三波川帯は、西南日本外帯で最も北に分布する変成岩で、結晶片岩(黒色片岩・緑色片岩)・緑色岩・苦鉄質~超苦鉄質岩などからなり、ところによって石灰岩やチャ-ト・砂質片岩などを挟み込んでいる地層である。
三波川の南側には秩父帯が並行して分布し、さらにその南側に仏像構造線と呼ばれる大きな断層を境にして四万十帯が分布する。
写真は火山灰などが堆積した後に変成作用を受けて片理面を生じた変成岩で、緑色は緑泥石・緑レン石・パンペリ-石などの変成鉱物の色である。
また採取地は、中央構造線の東側に接しており、黒色片岩と互層して産する。
中央構造線の西側には、領家帯の変成岩であるマイロナイトが分布する。(圧砕岩参照)

採取地写真

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