長野岩石図鑑

泥岩(mudstone)『明科黒色泥岩』 東筑摩郡 明科町 潮沢川

概要

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岩種 堆積岩
地質年代 新第三紀 中新世(明科泥岩)
採取地 東筑摩郡 明科町 潮沢川

一般的な特徴

粘土(泥)が圧縮脱水によって固化した岩石。
無層理のものが多いが、しばしば収縮による節理が見られる。
ときにはラミナ・流痕などの堆積構造や、ノジュ-ルのような、拡散による二次的構造等も見られる。
泥岩には石灰質・凝灰質・シルト質のものもあり、広義にはシルト岩も含めて泥岩または泥質岩(argillaceousrock)と呼ぶこともある。
また特に石灰質のものを泥灰岩という。 ※ラミナ 同時に沈着したと認められる堆積物の構成粒子の配列が示す葉片状の薄層。地層を構成する最小単位。葉理あるいは葉層ともいう。一般にラミナの面は、層理面と斜交する。粒子の径の大小、色の濃淡などによって識別され、断面で筋あるいは縞のように見える。風化面で識別されやすい。厚さ1㎝以下の堆積物を呼ぶ事もある。
※ノジュール 英語ではコンクリ-ジョンがより普通に用いられる。本来は堆積物中にこう結物質の分離濃集などにより生じた団塊状ないし不規則状の結核体をいう。堆積物形成後、化石・砂粒などを核として、堆積物の構成成分(珪酸・炭酸塩・鉄酸化物など)の分離濃集あるいは珪酸交代作用など、いろいろの成因のものがある。しばしば同心皮殻構造や各殻部に放射組織の認められるものがあリ、まわりの堆積物よリ硬い。

固有の特徴

《明科黒色泥岩層(別所累層)》
 本属は明科駅東一方の切通し地域を模式地とし、層厚は800m以上ある。別所層の一部に相当し、生坂村八代沢下流、明科町付近の犀川沿いによく露頭している。
下限は犀川擾乱帯に包括されるが、ここには内村層らしいものは見当らない。上限は袖山礫岩砂岩層に整合に覆われる。
 分布は明科町付近から犀川に沿って北上するが、北部では犀川の流路よりも西に寄り、生坂村広津区中塚付近で尖滅する。一般に下部は別所層特有の黒色泥岩であるが、上部は灰色泥岩となり、この中にわずかの細粒砂岩、黒色泥岩には魚の鱗、魚の骨、二枚貝、有孔虫などの化石を含み、ときどき石油臭や硫黄臭がする。油徴やガスの噴出をみるところがあり、池田町広津区、生坂村北陸郷区には10数カ所の天然ガスの自噴地が観察される。
 岩質は緻密であるが、細かい節理が発達するために小片に破砕され易い。ときどき厚さ1mに達する団塊状の泥灰岩をはさみ、この中に二枚貝の化石が入っていることがある。
 本層は犀川擾乱帯に接し、また一部はその中に含まれているために、擾乱帯の影響をうけ、傾斜は一般に急でほとんど70度以上であり、奈良尾沢では逆転していて下部の黒色泥岩が上位に重なっている。大局的にみて分布の西側は西傾斜カ多く、東側では東傾斜が多い。したがって、全体として背斜的な構造とみることができるが、正規の背斜とは著しく異なっている。
 犀川擾乱帯内の部分には、多くの小断層やスランピング構造、サンドダイク(砂岩の岩脈)などがあり、おそらく擾乱帯は第三系堆積前の基盤岩の構造に支配された、変動を受けやすい部分であったと思われる。

採取地写真

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