長野岩石図鑑

泥岩(mudstone)『十二平砂岩泥岩層』 上水内郡 鬼無里村 十二平

概要

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岩種 堆積岩
地質年代 新第三紀 中新世(十二平層)
採取地 上水内郡 鬼無里村 十二平

一般的な特徴

《砂岩(sand stone)》
砂粒が膠(こう)給されてできた岩石。砂粒の大きさ、その鉱物組成、膠結物の種類とその砂粒に対する量比、膠結の程度などにより性質を異にし、それにより分類される。 1)砂粒の粒径による分類【Wentworth(1922)の粒度スケール】
極粗粒砂岩(2~1㎜)・粗粒砂岩(1~1/2㎜)・中粒砂岩(1/2~1/4㎜)
細粒砂岩(1/4~1/8㎜)・微粒砂岩(1/8~1/16㎜)
モ-ドが二つ以上ある場合には、含礫砂岩・シルト質砂岩・粘土質砂岩などと呼ぶ。これらは量比によって、砂質礫岩・砂質シルト岩・砂質頁岩・その他に変わる。
2)膠結物による分類
泥質砂岩(シルト質砂岩・粘土質砂岩など)、石灰質砂岩、珪質砂岩、鉄質砂岩、炭質砂岩、レキ青質砂岩、凝灰質砂岩など。
3)鉱物組成による分類
砂粒の鉱物組成によって、石英質、長石質、石質(岩片質)などに分けられる。
通常の砂岩については、まず膠結物によって、泥質基質が多い(15~20%以上)もの(ワッケ)と、膠結物が何も無いか、あるいは少量の石灰分、珪酸分などを持っているもの(アレナイト)とに二大別し、そのあとを砂粒の鉱物組成によって分けることが多い。

固有の特徴

《十二平砂岩泥岩層(小川累層)》
鬼無里村十二平が模式地で、層厚は900mにも達し、上位・下位層に整合である。岩相は主として灰色~灰青色細粒~中粒砂岩と、暗黒色泥岩または砂質泥岩の互層で、連続する厚さ2~3mの礫岩層をはさんでいる。砂岩層と泥岩層の比率は半々であり、互層の間隔は10数cm~数10cmであるが、砂岩はときに厚さを増す。または塊状砂岩のところもある。砂岩層中には、しばしば海底地すべりによって出来たスランプ構造(*1)がみられる。また漣痕(*2)やノジュール(*3)の発達もみられる。
深谷沢中流、小川中流部には逆転層や垂直層が顕著である。
*1:スランピング(slumping)一時的に累積した未凝固ないし半凝固の堆積物が、水底の斜面を一団となってすべり下る作用。その結果生じた地層がスランプ層またはスランプシ-ト。その内部構造がスランプ構造で、スランプ褶曲、スランプ過褶曲、細粒物質、不規則な流れを示す流状構造(flowagestructre)、またそれらが偽礫化したスランプボ-ル、礫・砂・泥などが完全に混じりあった含礫泥岩(pebblymudstone)などがある。従来、層間異常・乱堆積などと呼ばれていたものの多くはスランピングの産物。


*2:リップルマ-ク(ripplemark)の古い語訳。新しい訳は砂紋。


*3:日本ではノジュ-ル(nodule)が、英語ではコンクリ-ションが普通に使われる。本来は堆積物中に膠結物質の分離濃集などにより生じた団塊状ないし不規則状の結核体をいうが、T.F.Barth(1939)は変成岩中に変成分化により生じた結核体をも含めた。

採取地写真

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