長野岩石図鑑

蛇紋岩(serpentinite) 採取地北安曇郡小谷村北小谷各

概要

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岩種 変成岩
地質年代 中生代 白亜紀
採取地 採取地北安曇郡小谷村北小谷各

一般的な特徴

《蛇紋岩(serpentinite)》
蛇紋石を主成分鉱物とする岩石で、通常、多少の磁鉄鉱、クロム鉄鉱などを含む。肉眼で暗緑~黄緑色を呈し、炭酸塩の細かい網状脈を伴うことがある。
超塩基性岩から蛇紋岩化作用で生成され、源石のカンラン石、輝石などが残存していることがある。また、源石の鉱物の仮像を示すものがあり、その場合、カンラン石から変わった蛇紋石は一般に網目状組織を示し、斜方輝石から変わったものはバスタイト組織を示すものが多い。
褶曲山地に産するアルプス型カンラン岩は、多少とも常に蛇紋岩を伴う。
蛇紋岩は熔成リン肥原料に使用され、リン鉱石(P2 O5 32%のもの700kg)と蛇紋岩(450kg)を粉砕、熔融して熔成リン肥(P2 O5 20%のもの1,000kg)をつくる。日本では1965年約13万tの蛇紋岩がこの目的に使用された。
蛇紋岩はまた装飾石材として用いられ、埼玉県秩父郡産の鳩糞石は最高級石材。

固有の特徴

小谷地方の蛇紋岩は、古生層中に介在しているものと、来馬層を貫くものとに分けられる。前者は古生層に調和して分布し、来馬層の主分布地では、その礫岩中に蛇紋岩の礫がはいっている。
北小、谷の姫川両岸の李平・塩坂・真那板山西南斜面・大網などに分布しているものなどは、古生層の延びに平行し、NW方向をとって新潟県下へ延びている。
真那板山のものは、古生層と来馬層との間の断層面に沿って300~400mの細長い床状迸入岩体として露出している。笹倉正夫は、古期岩層は外見上、南方から作用した横圧力によって、来馬層蛇紋岩の上へ蛇紋岩は中性層の上へと低角度の逆断層によってすべり上がっているといっている。笹野では、細粒のハンレイ岩が蛇紋岩に包蔵され、ハンレイ岩が原岩であることを、思わせるところがある。
大網付近では、古生層と粘板岩の接するところに、漸移的でやや片状になっているところがあり、また、蛇紋岩を貫くハンレイ岩がある。

採取地写真

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