Design

設計

地すべり対策工設計

道路や河川・貯水池等の計画時は地すべりが発生するおそれのある地域を避けることを基本としますが、やむを得ず地すべり分布域に建設する場合や、実際に被災した場合には、地すべり対策工を施工します。
地すべり対策を行うためには、まず地質調査や地すべり調査を行います。地すべりの範囲や被災範囲を把握し、降雨や融雪に伴う地すべりの活動や地下水との関係、すべり面の形状や深さなどから地すべりの発生機構を推定します。道路や河川等の土工計画を考慮して地すべりの安定解析を行い、保全対象・経済性・施工性などから対策工法を選定し、工事に必要な図面や資料を作成します。

抑制工

抑制工は地すべりの素因や誘因となる自然条件(地形や地下水)に対して対策を行うことで、地すべり運動を停止または緩和させます。工種としては、明暗渠工・横ボーリング工・集水井工・押え盛土工・頭部排土工等があります。

抑制工(集水井と横ボーリング)

抑止工

抑止工は構造物の持つ抵抗力を利用して、地すべり運動の一部または全部を停止させます。工種としては、杭を不動地盤まで挿入して地すべりを抑止する杭工やシャフト工、地すべり土塊を地山に引き止めるアンカー工等があります。

抑止工の設計事例

急傾斜地崩壊防止施設設計

急傾斜地崩壊は、傾斜角30°以上の斜面表層の土砂や岩石が急速に滑り落ちる現象であり、地形・地質条件など(素因)と地震・降雨など(誘因)が重なって発生します。よって、対象斜面における地質的特徴や降雨特性に応じた対策方法の立案が求められます。
当社では半世紀以上にわたる地質コンサルタントとしてのノウハウと経験により、急傾斜地対策に関わる一連の業務おける技術的支援を行っています。
また、LiDAR(地上・UAV)と登攀地質踏査から、地形地質状況を3次元的に詳細に把握したうえで落石シミュレーション解析を実施し、精度の高い落石対策工設計をおこなっています。

擁壁工

斜面の下で斜面下部の崩壊を直接抑えるほか、上部からの崩壊土砂を人家等の手前で食い止めます。石積・ブロック積・もたれコンクリート・重力式・コンクリート枠など、崩壊規模や地盤硬軟などを考慮して工法を選定します。

擁壁工の設計事例

法枠工

のり面保護工としてコンクリートで枠を組み、枠内を植生などで被覆して斜面の風化・浸食を防ぎます。アンカーと併用して崩壊を抑えることもあります。法枠にはプレキャスト・現場打ちコンクリート・現場吹付などがあります。

法枠工の設計事例

アンカー工

斜面の不安定土塊を直接抑えるため、土塊を貫通する孔を掘削して中にアンカーと呼ばれる引張材を設置します。アンカーは地下の先端部分を地盤深部の安定した地盤に固定し、緊張力をかけて地表面の受圧板などに固定します。

アンカー工の設計事例

土留柵工

斜面にH形鋼などの横材を設置し、土圧に対する抵抗力で斜面崩壊を防ぎます。既存木を残せるため、周囲の景観や自然環境に配慮できるメリットがあります。土留横材は軽量鋼矢板、崩土防止横材は落石防護柵などがあります。

土留柵工の設計事例

落石対策工

保全対象の重要度、落石の規模や発生確率、被災頻度や被害程度などを考慮し、被害を最小限にとどめる対策を選定します。落石対策工には、発生要因を除去する落石予防工と、落石を止める落石防護工があります。

落石対策工の設計事例

砂防施設設計

砂防施設は、土石流等の土砂災害の要因となる不安定土砂や流木の生産・流出を抑制し、地域の安全を守る重要な構造物です。施設には砂防堰堤や流木捕捉工、遊砂地などがあり、土砂の流下形態や地質条件に応じた最適な配置が求められます。
当社では、砂防計画に基づき各種施設の設計を行っています。土石流等に対する安定性の確保はもちろん、地質技術を活かした脆弱な地盤への対応や、砂防ソイルセメントによる現地発生材の有効活用など、現場に即した合理的設計に努めています。また、近年では3次元CADによる空間情報技術を積極的に活用した設計に取り組んでいます。

砂防堰堤

土石流や流木を捕捉し下流への流出を抑制します。堰堤の堆積効果により渓床勾配を緩やかにし、侵食や土石流の破壊力を緩和する機能もあります。近年は、より効率的に土石流を捕捉する透過型堰堤の設計も主流となっています。

砂防堰堤の設計事例

渓流保全工

渓流の下流において、土砂が混入した洪水流を安全に流す施設で、縦断侵食を抑制する床固工や帯工、渓岸侵食を防ぐ護岸工や水制工等からなります。近年は、三面張を避け、魚道を設置するなど生態系の保全にも配慮しています。

渓流保全工の設計事例

流木補足工

流木災害の増加に伴い着目されている施設です。土砂の流下を妨げず流木のみを捕捉する機能を有し、単独設置や堰堤への後付式、副堤設置など型式は多岐にわたります。流木量や現地状況に対応した最適な型式を選定します。

流木補足工の設計事例

土石流堆積土・砂溜工・遊砂地

河道幅の拡幅により土石流の流速を落とし、土砂を安全に堆積・貯留させる施設です。床固工や護岸工と組み合わせ、堰堤では捕捉困難な細粒土砂まで捕捉。地形や構造に応じ、土石流堆積工、砂溜工、遊砂地を使い分けます。

河川・海岸設計

近年、豪雨災害の激甚化、巨大地震の切迫、樋門操作人員不足など、樋門・水門における災害リスクが増大しています。このため、耐震補強や自動開閉式ゲート化といった改修設計のニーズが高まっています。さらに、我が国には堤防高が計画高水位(HWL)を下回る河川区間があり、早期の治水安全度の確保が喫緊の課題です。当社は、これらの背景を考慮し、設計部門と地盤調査解析部門が連携しながら経済性と安全性などのトレードオフを克服する高度な設計を進めています。確かな実績と技術で、安全な国土基盤づくりに貢献します。

樋門

近年、豪雨災害の激甚化・巨大地震の切迫・樋門操作人員不足など樋門における災害リスクが増大しています。このような問題を解決するため、樋門の耐震補強や自動開閉式ゲート化といった改修設計のニーズが高まっています。

樋門の設計事例

堤防

河川計画で設定された計画高水流量を安全に流す断面を確保するため、必要な堤防高を設定し設計します。設計の際は、過去の浸水履歴や軟弱地盤、堤防の質的整備状況などを考慮し、地域を守る強靭な堤防を構築します。

堤防完成予想図

堤防浸透対策設計

浸透流解析(FEMによる地下水シミュレーション)により、洪水時に河川堤防が法すべりやパイピングによる浸透破壊を起こさないか解析・検討します。安全率が不足する場合は、揚圧力を低下させる対策工などを検討します。

浸透流解析図

護岸

護岸工は計画高水位以下の流水や波浪による堤防・河岸の洗掘や浸食を防ぎ、河川敷地および背後地盤の安定を確保します。これにより、河川構造物全体の安全を保ち、治水・利水機能を長期にわたり維持します。

護岸の設計事例

道路設計

道路は、人・物資・地域を安全・円滑につなぐ「交通機能」と、ライフライン収容、防災、環境空間としての「空間機能」の役割を担う最も身近な社会基盤です。道路は人の通行空間となる歩道から国土の骨格となる高規格幹線道路まで様々な種類があり、各々の道路の役割と機能を有しています。道路設計にあたっては、地形判読や空中写真判読を行い地すべり分布等の地質リスクなどの沿道環境を把握します。そのうえで地震、台風、梅雨、積雪などの自然条件を考慮し、交通需要に応じた道路の安全性、経済性、施工性をふまえた計画・設計を行い、社会基盤整備に貢献しています。

道路計画

航空レーザ等の空間情報を活用し、地質リスクなどの沿道環境、土地利用状況、文化財等を確認し、交通需要に応じた道路規格に応じた路線計画を主要構造物(トンネル、橋梁、函渠、擁壁、土工構造物等)を考慮して行います。

切土法面を含めた道路の設計事例

道路詳細設計

沿道の土地利用状況等をふまえた道路の舗装構造、排水施設、安全施設、標識、区画線などの詳細構造を関係する機関との協議をふまえて決定し、地域に応じたユニバーサルデザインに配慮した設計を行います。

道路と道路擁壁の設計事例

森林土木設計

森林土木設計(治山施設設計)は、森林の持つ防災機能と環境保全機能を最大限に発揮させるための施設を構築する技術です。
当社では、空間情報技術等も活用して策定する治山計画に基づき、谷底の侵食防止と山脚固定を担う「渓間工」、斜面崩壊の抑制と緑の復元を図る「山腹工」等を適切に配置し、森林の安定化を図る施設設計を行います。
また、施設の維持管理、持続的な森林整備、木材等の林産物生産のための動線となる「林道」を含む一連の設計を通じ、森林が持つ水源涵養や土砂流出防止等の「多面的機能」を最大限に発揮させ、自然環境に配慮しつつ災害に強い地域づくりに取り組んでいます。

渓間工

渓流の勾配を安定させ、山脚固定や土砂流出の抑制を図る工種で、谷止工等の治山ダムや流路工、護岸工等で構成されます。縦・横侵食を防止して森林再生を促す役割を担い、周囲の自然環境保全にも十分に配慮して設置します。

治山ダムの設計事例

山腹工

山腹斜面を安定させ、崩壊拡大防止と植生復元を図る工種です。土留工等の「山腹基礎工」、植生により表土を保護する「山腹緑化工」、落石被害を防ぐ「落石防止工」に大別され、荒廃状況や地形・地質条件に応じて配置します。

山腹工(上:法枠工 / 中間:土留工 / 下:籠マット)

林道

森林整備や木材搬出の基盤となる道路です。路網計画により渓間工や山腹工と連携し、森林へのアクセスを確保。維持管理や災害復旧を迅速化します。「森林の多面的機能」の持続的発揮を支え、山村地域振興や生活環境の改善に寄与します。

橋梁設計

我が国の橋梁は、高度経済成長期からの急速な整備によって一定の水準に達しましたが、今後は老朽化が進むと同時に集中的に多額の修繕・架け替え費用が必要となることが懸念されています。こうした背景から、現在では維持管理に関する規定が充実されるとともに、新規の橋梁設計よりも点検や診断、補修設計、耐震補強設計といった業務の割合が増加しています。
当社では維持管理時代に対応するため、点検・劣化診断技術を持つ土木鋼構造診断士やコンクリート診断士、および技術士(鋼構造及びコンクリート)などの有資格者による橋梁点検・診断、橋梁補修・耐震補強設計を行っています。

橋梁補修・補強設計

橋梁点検結果や耐荷力照査の結果に基づいて、補修設計や補強設計を行います。建設当時の設計図書(設計図・設計計算書)が存在しない場合には、寸法計測や復元計算により設計図を復元して補修や補強設計の基礎資料とします。

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