Interview 03

造成宅地における崖崩れや、 土砂の流出による 被害を事前に防ぐ予防対策。

大規模盛土造成地の滑動崩落対策

「大規模盛土造成地滑動崩落防止事業」とは

新潟県中越地震や東北地方太平洋沖地震などで、谷や沢を埋めて造成宅地や傾斜地盤上に腹付けした大規模な造成宅地おいて、盛土内部をすべり面とする盛土の変動や、盛土と地山との境界面等における盛土全体の地すべり的変動(滑動崩落)が生じ、造成宅地における崖崩れまたは土砂の流出による被害が発生しました。
  
このような大規模盛土の滑動崩落への予防対策を進めるためには、変動予測調査を実施し、その結果を公表することで住民の滑動崩落被害に関する理解を深め、危険箇所の滑動崩落防止工事を進めていくことが重要です。

具体的な対策としては、危険と判断された大規模盛土に対して、盛土内の地下水位低下を目的とした地下水排除工(横ボーリング工、明暗渠工など)を基本とし、必要に応じて押え盛土や抑止杭等を併用する対策を行います。

最近携わった業務について

国土交通省「大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドライン及び同解説」にもとづいた、大規模造成地盛土の地質調査・対策工設計業務を担当しました。

地質調査の結果、地すべり性の変状であったため、地すべり機構を解析し、複数のブロックに分割して安定解析や対策工を検討したり、地すべり対策工は、抑制工(地表水排除工・地下水排除工・押え盛土)および抑止工(抑止杭)を併用し、設計しました。

また、地すべり対策工検討・設計にあたり、地震時の地下水位の上昇を制御するため、地下水排除工を設計しました。地下水排除工は、道路等の公共敷地内の設置を基本とし、設置深さが深くなる場所は推進工、設置深さが浅い領域は明暗渠工で検討しました。

さらに、施工時には、段階的な現地確認・立会、積算に必要な資料の作成、地元・関係機関との協議・調整に必要な資料作成など、初めてのことが多く、良い経験になった業務でした。

担当者の声

設計2課 安倍 榛哉

2012年入社。
土質調査・軟弱地盤解析・設計を担当。
やさしく、おだやかな語り口で、若手の指導が親切と評判。

業務での役割や気をつけていることは?

主に軟弱地盤に関する地質調査や地盤解析業務を担当しています。
ボーリング調査結果や室内土質試験結果より、地盤解析条件を検討し、解析で得られた結果に応じて、その場所に最適な対策工を選定します。

地盤を構成する土は、面的に一様ではなく特性にばらつきが多いことから、過小・過大な評価をしていないかをよく考えるように気を付けています。
また、3次元モデルを活用することで、2次元の図面では伝わりにくい情報を、お客様や土木知識のない一般の方でもイメージしやすく表現するよう工夫しています。

仕事のやりがいや面白さは?

プロジェクトメンバーと意見を出し合い、みんなで創り上げた成果を、お客様に感謝され、評価されたときに、やりがいや達成感を強く感じます。
仕事の工程や分担などは、ある程度自分で決められることができ、相談がしやすい環境なので、休みの計画も立てやすく、仕事とプライベートのバランスが取れていると感じています。
計画的に休暇を取り、子供と遊んだり、趣味に没頭したりして、リフレッシュすることも仕事のモチベーションアップに繋がっています。

今後の目標やこれから実現したいことは?

建設コンサルタントの仕事を通じて、社会へ最大限貢献していけるように、継続的な技術研鑽を怠らず、さまざまな業務への挑戦と経験をこれからも積み重ねていきたいと思っています。
また、公共事業に原則適用されつつあるBIM/CIMに積極的に取り組み、3次元設計データの活用による品質向上、生産性向上を図っていきたいと考えています。
多様な技術と知識を身につけて、社内・社外問わず頼りにされ、相談してもらえるような技術者になることが今後の目標です。

Entryエントリー

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