Interview 04

3次元データの活用により、 災害・減災事業の 効率化や高度化を行う。

3次元データの活用

提供:九州森林管理局

提供:九州森林管理局

3次元データ(UAV-LiDARや3次元地形データ)について

LiDARは、ロボット掃除機や自動運転などに使われているセンサー技術で、対象物との距離を測ることができます。このLiDARを搭載したUAV(無人航空機)で地形の3次元点群データを取得し、図化することで、土石流や地すべり・斜面崩壊などの全体像を立体的に捉えることができます。

最近では一部のモバイル端末にLiDARが搭載されている機種があるため、地形や構造物の簡易的な3次元計測をすることができます。地形や構造物等の形状を立体的に表現した情報を3次元モデルと呼びます。

当社ではUAV-LiDARから得られた3次元地形データと、地質調査で得られた地質データを組み合わせて3次元地質モデルを作成しています。3次元地質モデルを作成することで、2次元では表現することが難しい地質構造も可視化することができたり、設計段階では数値シミュレーションや切土などの土量計算に活用することができ、災害・減災事業の効率化・高度化に繋がります。

最近の活用事例について

地すべりブロックの決定や変動機構・精度の高い地すべり安定計算、効果的な対策工の検討には、変状微地形の把握が重要となります。そこで、UAV-LiDARを用いた計測により3次元点群データを取得し、高精度な地形図および3次元地形モデルを作成することで、変状微地形の把握精度を向上させることができます。

3次元モデルでは、地下水分布やすべり面なども立体的に表現することができます。現地踏査やボーリング調査・地すべり動態観測による調査結果を反映した3次元地質モデルを作成することで、より実態に近い地すべりを表現することができ、最も効果的な地すべり対策工を検討することができます。

また、3次元データとは異なりますが、干渉SAR解析といった人工衛星データを活用した地すべりの移動量と方向の定量的な変動調査も実施しています。当社では、これらの最新技術をフル活用して地すべり対策を行っています。

担当者の声

防災課 清澤 友弥

2019年入社。
地すべり・斜面崩壊など斜面防災の計画・調査・設計を担当。
風力発電の風車調査業務を経験し、最近は再生可能エネルギー関連調査にも興味あり。

業務での役割や気をつけていることは?

業務では、先輩や上司にサポートしてもらいながら、地質調査や土砂災害を防止する施設の設計、報告書作成などを行なっています。
わからないことは先輩や上司に質問すると詳しく教えてくれますが、コンサルタントは、課題解決案の提示や助言を行う技術サービスを提供することが仕事であり、自分の考えを持つことが重要だと考えるため、まず自分で調べてみて、それでもわからないことがあれば質問するように心掛けています。

仕事のやりがいや面白さは?

2019年の台風19号の豪雨災害の時は、災害に関係ない地質調査を一時中断し、災害対応のための地質調査を行いまして、こうした調査は目立つことはほとんどありませんが、縁の下の力持ち的な立場で社会を陰ながら支えていくことができることにやりがいを感じています。

今後の目標やこれから実現したいことは?

コンサルティングを行う上では、技術に関する専門知識が必要になりますが、仕事をやればやるほど、自分の知識不足に気づきます。
また、技術は日々進歩しており、常に知識をアップデートする必要がありますが、新しい技術は基本的な技術が土台になっていることがほとんどであるため、常日頃から勉強を行い基礎的な知識を身に着けつつ新しい技術にも関心を持ち、新旧の技術に柔軟に対応できる技術者を目指していきたいです。

Entryエントリー

自然と向き合い、自然を守り、自然と人をつなぐ「建設コンサルタント」というお仕事にご興味のある方は、是非エントリーをお願いします。社会や人の生活を支えるやりがいのある職場で、私たちと一緒に未来を切り拓いていきましょう。

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